オリーブ油を頻繁に使う南イタリアやスペイン、ギリシャなんかの地中海沿岸地方では、映画などで見ても食べているもののイメージから、どちらかと言えばこってりとした印象があるせいか、高脂肪食と思われがちなんですけど、実際にはほかのヨーロッパ地方と比べると地中海沿岸地方は心疾患死亡率が低いことが判明している。
その原因は不飽和脂肪酸、すなわちオレイン酸をたっぷりと含有したオリーブオイルを日常的に摂取しているからだといわれている。オリーブオイルには居酒屋に頻繁に出入りしている人にとってはとっても強敵である悪玉コレステロールを減らし、心疾患や高血圧、動脈硬化を予防するオレイン酸が７０％以上も含まれているのである。
とはいえ、ふだんからヘルシーな和食を食べている人が地中海沿岸の人たちをまねてオリーブオイルをたくさん食べるのは逆効果。オリーブオイルは酸化しにくく、油の中では優良な食材であることはたしかなのだが、そうはいっても油は油なのだ。風味づけにやたらめったらぶっかけていると、高カロリーとなってしまい、メタボ街道まっしぐらだ。
栄養学的にみてみると、オレイン酸などの不飽和脂肪酸は、炭素の結合の形態によって「一価不飽和脂肪酸」と、「多価不飽和脂肪酸」の二種類に分別できる。オレイン酸は一価不飽和脂肪酸のひとつなのだが、これは体内で生成することのできる栄養素だ。無理にたくさんたべなくとも自然にまかなうことができる。健康維持によいといわれるバランスは、動物性脂肪に多い飽和脂肪酸、オレイン酸などの一価不飽和脂肪酸、リノール酸などの多価不飽和脂肪酸の割合が3対4対3になるのが理想的とされている。また、オレイン酸はひまわり油、菜種油、ラッカセイ油、米ぬか油などにもたっぷりこってり含まれているので、なにもオリーブオイルにこだわる必要はないとされている。
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